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芝村 | ここは教室です。
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クレール | はい
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芝村 | カオリは腕を組んで、目をつぶっている。
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カオリ | 「いいのかい?あいつよんで」
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クレール | 「どうしてですか?」
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カオリ | 「あんた、嫌われているよ」
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クレール | 「……そう,ですか。 でも,嫌われてても信じてもらってなくっても,やっぱり私にとっては知り合いですから」
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クレール | 「もしも困っていることがあったら,助けたいですし。」
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カオリ | 「飛翔って人が助けてる」
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クレール | 「知ってます。でもその人は小笠原が放棄されるまでにはこちらに来ないかもしれません。」
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カオリ | 「頑固だね」
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クレール | 「・・・会ったときの私のやり方が最低だったっていうのはわかってるんです。 でも,嘘でしたごめんなさい,なんていえませんし。」
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クレール | 「嘘じゃないですから。」
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クレール | 「だから」
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カオリ | 「私も信用してない」
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カオリ | 「その件についてはね」
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クレール | 「・・・。」
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芝村 | アキが来たよ。
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芝村 | 腕を組んで、入り口近くにいる。
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クレール | (き,緊張する・・)「こ,こんにちは。アキ,さん。」
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アキ | 「なんだ?」
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クレール | 「ええと,その。あの時突然お呼びだてしてしまったのを謝りにきたのと」
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クレール | 「教えてくださったことに対するお礼が足りない,と私には思えて,すいませんがお呼びしました。」
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アキ | 「必要ねえよ」
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アキ | 「じゃあな」
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クレール | 「ま,まって!」
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アキ | 「?」
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クレール | 「じゃぁ,せめて,教えてください。 私があなたと知り合いだったと証明できる方法があるなら。」
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クレール | 「どんな形であれ,これについてはもっとすっきりと解決したいんです」
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アキ | 「……」
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アキ | 「ない。じゃあな」
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クレール | 「そんな! アキさんはそれでいいんですか?」
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アキ | 「ああ」
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クレール | 「貴恵に会えればわかることだから?」
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アキ | 「あいつは死んだよ。俺の目の前で」
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クレール | えええっ!?
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アキ | 「お前がその前を言うたびに、むかつく」
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クレール | 「・・・」
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クレール | 「どういった状況だったのか,きくことはできませんか。」
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カオリ | 「小カトーと二人、並んでいた時に倒れた。死因は良くわからない」
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クレール | 「カオリさんがこちらに来る前にあったことなんですか。」
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クレール | うーん,アイドレスの国民登録をした時点・・・?
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芝村 | そうだ
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クレール | はぅぁー・・・
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クレール | 「心痛む話だと思いますがすいません,遺体はどうなさいました・・?」
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アキ | 「小カトーが水葬した」
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クレール | 国民登録,クレールにしなければよかった・・・(がく)
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カオリ | 「泣いてた」
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クレール | 力が抜けて座りこみます。「そ,そんなことになったなんて・・・」
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クレール | 「・・・それなら,信じてもらえないのも,無理ないですよね・・。」
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アキ | 「はいはい。んじゃな」
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クレール | 「・・・。はい。きていただきありがとうございました・・。」
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カオリ | 「・・・」
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