るしにゃん冒険記 その1



冒険の心得:見知らぬ森にはいると危険!できるだけ街道を歩こう!

 『冬の京』から出発して街道沿い歩いていると森を迂回した街道と大きな森が見えてきた。
あの先を行くのなら近道に森の入った方が早いのではと思ったのがそもそもの始まりだった…
 
 そろそろ森を抜けてもいいぐらい歩いたのにいつまでたっても街道が見えてこなかった。
こいつは本格的に迷った感じだった。
『急がば回れ』という昔の格言を思い出したが後の祭りであった…

 森を彷徨ってどれほど経ったのだろうか良く覚えていない。
ただ、急に目の前が開けて街道に出た!と思ったら小さな湧き水を見つけた。
 ここで休憩を取る事を決めた俺が湧き水を飲もうとした時、手の形が違う事に気がついた。
さらに自分の体を見ていると随分と細身になっているような気がする。
いくら森で迷子になったからと言っていきなり痩せたりはしないだろうと思い、湧き水で自分の顔を見て見ると…
 『なんじゃこりゃー!!』思わず大声を上げた。
俺の耳が長く鋭くなっているこれでは話に聞いたことがある森国人ではないか。
しかも顔つきも心なしか猫っぽくなっている。
と言うか明らかに猫じゃないか!?もう一度見ても結果は同じだった。
おいおい、俺はどうなってしまったのだろう。
この湧き水は呪われているのかと色々考えていると背後から声がした。

 振り向くとそこには一人のにゃんにゃん共和国の人が立っていた。
ここに至って俺はいつのまにか国境を越えて共和国のどこかの国に辿り着いたようだ…。
俺の命運もここまでかと思っていたら
「そこの方、私についてきなさい」
俺は自分の運のなさを呪いながらその人の後ろを歩いていった。