るしにゃん冒険記 その2



 冒険の心得:なんでもパクパク食べるな!

 色々あって…本当に色々あって、このるしにゃん王国に留まる事を許されました。
共和国民になっていたのが幸いしたようです。
しかし、なぜ姿が変わっていたのかは全然わかっていないが現状問題ないので気にしない事にした。

 とりあえず、街を流れるアルフォンス河に沿って歩いていると階段のような畑とリンゴがなっている樹が見えてきた。
リンゴを作っている農家の人に一個貰って、食べてみたのだがこれがたまらく美味しいのである!
少し甘みがあってシャリシャリした食感が新鮮でみずみずしいのだ。
冬の京の名誉の為にいっておくがリンゴは食べた事はあるがこのような新鮮なリンゴははじめて食べた。
そして、樹に実っているリンゴを見るのは初めてだった。

 意気揚々と川沿いを歩いていると見慣れない樹がある農園が見えてきた。
話を聞くとそれは『マタタビ』という果実が栽培されているとのことでした。
ただ、季節は6月〜7月の初夏に採れるとのことで今は何もなかった。
ここまで来て、ただでは帰らずに農家の方にお願いして保存してある食糧倉庫に連れて行ってもらった。
 倉庫に行く途中にいろんな話を聞いたのだが『マタタビ』の花、葉、そして、若い芽などは山菜として食され、葉や茎を乾燥して入浴剤としても使えるらしい。
実際に使ってみたのだがお風呂=サウナだった『冬の京』とは違う感じでとっても気持ちよかった。
さて、肝心の果実だがおおよそ3種類ぐらいあるようだ。
まずは普通の実は熟すと甘みがでてくる、青い実は辛く塩漬け、味噌漬け、果実酒にされます。
最後の実は花のうちに虫が寄生してできた果実は亀の甲のようなものができてでこぼことなり、虫こぶの実と呼ばれマタタビ酒や熱湯殺菌してから天日乾燥して作られる薬を『木天寥(もくてんりょう)』呼び万病に効くとの事で現在でも医者の間で凄く重宝がられている。

 そして、初めて見る『マタタビ』の事は残念ながら全然憶えていないのである…。
実は倉庫に入って『マタタビ』を少し食べてみるといきなり酔っぱらって大暴れしたらしく、その10分間ぐらいの間、まったく記憶に残っていないのである。
気がついて正気に戻ったときには何人かの農家の方が怪我をしていた。
これにより藩から『マタタビ』禁止と言い渡されたのでそれから見る事ができないのであった。

 追記:『マタタビ』の粉末などを摂取すると共和国民は陶酔状態になるようだ。
平たく言うと酔っぱらうのである。
多分、初めての『マタタビ』にしては大量に食べすぎたからだと思った。
今度から気をつけないと激しく反省しております。