るしにゃん冒険記 その5



冒険の心得:地図は忘れずに持っていこう!!

 この『るしにゃん王国』には地図に載っていない場所がある。それは隠れ里と呼ばれ忍者の秘術などの学ぶ事ができるらしい。
少し聞き込みをしてみてもほとんど知らないとの返事であり、それ以外は答えられないと言われた。
 そう言われると探したくなるのが人の性だと思うのだ。
とりあえず、街の中を探し回ったのだがそれらしきものは見つけられなかった。
少なくとも俺の目ではわからなかった。
 そう、そこで諦めていたらあのような目に遭うことはなかったのだ…。

 次に向ったのは近郊の森だった。
そう、この国に来た時の事を考えれば遭難する可能性があると予測できたのに世界忍者などとかっこいいアイドレスを着てこの国に馴染んできた事で完全に忘れていた…。
 皆には探索していたから暫く帰らなかったと言ったが明らかに遭難だった。
そう、時期は大統領襲撃作戦が行われる前で非常事態宣言時にこの国を守る防護壁の役目をする森に入った事を後から後悔した。
『後悔、役に立たず』である。
しかし、今回はテルさんが案内してくれたお店で買った鞄とチョコとウィスキーで飢える事はなかった。
ただ、街に戻れなければやっぱり終わりなのだ。

――夜――
 うとうとしていると、遠くで人の声が聞こえた…。
あの声は七海さん!ここで急いで移動を開始して忍者の能力を無意識に使ってしまったようだ。
 暫く走っていると七海さんの後姿を見つけた。
手前にあった草叢を飛び越え七海さんの背後に立とうと思った瞬間に俺は地面に転がっていた…。
 普通の国民なら問題なかったのだ。
しかし、七海さんは剣の達人だとゆうみさんから聞いたのを思い出した時には遅かった…。
そう、七海さんはジャンプして近づいてきた俺を反射的に斬ってしまったのだ。
ただ、俺と気がついて剣先を曲げてくれたから助かったらしい。
 だが、俺の受難はこれからだ。
そのまま撃墜された俺は藪の中に転がり込んだ。
そう、ただの藪ではなく毒蛇の巣だったのだ…。
多くの毒蛇に噛まれた俺はそのまま気を失った…。

 気がつくと病院のベッドに寝ていた。
何でもあのあと七海さんが全部の毒の血清を俺に打ってくれたらしい。
感謝の言葉もない…。
お礼にいったら『間違って斬ってしまってごめん』と逆に謝られて俺のほうが困る始末だった。
という訳で暫くこの国に残る事になりました。よろしく〜