るしにゃん冒険記 特別編その2



 冒険の心得:常に幸運が続くと思うな

 俺が『るしにゃん王国』で遭遇した不思議な体験を書こうと思う。
本来なら先に書くべきだったのだがS43氏の摂政解任、『バトルメードisナンバー1』への参加と顔を合わすことができなかったので後々になっていた。
『鍋の国』にきて久々にゆっくりとする時間もできたので思い出しながら綴ってみる。

 そう、『るしにゃん王国』の地下には巨大な地底湖があり、この国民でさえ全てを確認しているわけではなかった。
ただ、地底湖の浮島には水の巫女の祠が祭られているらしいので一目みたいと思い地底湖に向った。

 浮島に渡る船をどうしようかと思っていたが、前回の戦闘での食料調達の折にここで漁を行ったらしくその時に使用された舟を借りる事ができたのは運が良かった。

 今回は場所が場所だけに準備をしっかりと整え、出発した。
今にして思えばこの地底湖がすでに特異点だったのかもしれなかった。
教えられた通りに舟を進めていけども祠どころか浮島も見えてこなかった。
一瞬、何かを脳裏にかすめたが俺は先に進む選択を選んだ。
 だが美しい女性の声で『こちらに…。こちらに来ては…、いけない…。』と脳裏に響いてきた。
声は進行方向の先から聞こえてくる。正直、ここで引き返すかどうするか迷った。
 いつもなら、引き返したのに俺はそのまま先に進んだ。
この時点でこの特異点にはまり込んだのだろう…。
何かに誘われるままに先に進んでいった。
一瞬の隙に舟が浮かび上がり、俺は湖に投げだされた。
その瞬間に見えたのは巨大魚だった。
ただ、皆のいう巨大魚のゆうに倍はある本物の主だった。

 投げだされた俺は体を動かす事ができずにそのまま湖底に沈んでいくのを感じていた。
ただ、沈んでいく中で不思議と恐怖はなかった…。
自分の五感が一つずつ失われていくのが分かった…。
知覚、嗅覚、触覚、聴覚、味覚…。
自分という存在が失われかけた時に、美しい女性の声で『…。まだ、こちら来るには早い…。おかえりなさい…。』と言う言葉と共に光りに包まれた。

 そして、なぜか俺は水の巫女の祠で気を失っていた。

その光りの中にその声の主と思われる女性とS43氏が一緒にいる光景が見えた…。
何の証拠もない…。
ただ、俺はその光景だけ脳裏に焼きついている…。
これが何を意味しているのかはわからない。
だからこそS43氏に伝えたいのだ…。
これの意味する所を…。

 そして、俺が助かった時と同じ頃にS43氏は『青にして正義』として旅立った頃でもある。
偶然なのか必然なのかはわからないけど俺は世界の謎よりこっちの方がよっぽど気になる…。