田園?その1

/*/

食料増産政策が発表されたあと、田園では備蓄の古米を出す作業に取り掛かっていた。

「やっとこれを使うときが来たねー」
「あぁ、凶作の時のために溜めておいたけど全部出そう」
「新米と比べるとやっぱり味は落ちるけどねー」
「ま、気にするな」

米農家の男二人が倉庫の前に立っている。
全米農家が余った米を蓄えている倉庫だ。

「よいしょ、っと」

扉を開ける。
中には米俵がずらっと並んでいる。

「うぉーい、手伝いにきたぞー」

ゾクゾクと米農家が集まってくる。

「うっしゃ、んじゃあ外に運び出しますか」

作業開始!



「そういやさ」

米俵を担ぎながら中年の男が言った。

「ん?」
「そういやさ、なんか同胞の国に現れた敵ってさ」
「うん」

米俵を運び終え倉庫に戻る。

「なんか帝國の方にも現れたらしいな」
「へー」
「わんわんには勝てないだろうな」
「共和国は楽勝だろうけどな」
「フフフフフ」
「ハハハハハ」

そんな作業風景(ぁ




場所は少し変わって水車の近くのどこぞの厨房。
米農家の男衆が運んだ古米を少し加工するために女性が集まっている。

「普通にご飯でもいいけど別のやつも作りたいよね」
「保存考えたらご飯でいいけど何か作りたいよね」

という感じである。

「んじゃあまずは・・・。米粉作ろうか」
「じゃあ水車で挽かなきゃ!」
「いやいや、まずは水に浸しておきましょう」
「おー!」

丁度いいくらいの時間が経過(ぁ

「さーて、今度は挽くわけだけど」
「うんうん」
「水を加えながら挽きます!」
「おー!」
「ペースト状になればいいから、あんまり加えすぎないようにね」
「うん!」

作業開始。
まずは水を浸しておいた米を水車で挽く。
挽きながら少しずつ水を足し、ペースト状にして別の容器に溜めておく。

雑談をしながら作業をする女性たち。
が、内容はひ・み・つ(はぁと)

でまぁしばらくして大量に米のペーストが出来ると次の作業へと移る。

「さーて、ビーフンを作るって言ってたけどライスペーパーも作りましょうか」
「はい先生!」
「先生ってなによ」
「いやなんとなく」
「(´・ω・`)」
「(`・ω・´)」

ごめんなさいごめんなさい

「じゃあまずは延ばして乾燥させましょう」
「はーい」

水車は国の真ん中を流れるアルフォンス河にある。
乾燥させるのはその河沿いになる。
谷間になっており、風が吹き乾燥も速いのである。

「うすーく伸ばして乾燥させて麺状に切ったらビーフン!膜状に大きく切ったらライスペーパーって感じ!なはず!」
「はず!?」
「はず!」
「(´・ω・`)」
「よく知らないんだもん!」
「ま、いっか!」
「うん!」

ってことでトレイのようなものをたくさん用意してペースト状のものを注いでいく。

「乾燥させてる間どうしよっかー」
「スープ作ろう!」
「スープ?」
「ビーフン用に」
「スープを運ぶんかい!」
「持ち運べるようにしようか」
「え?」
「お湯があればばっちりだよ☆」
「いや、なにをどうするの」
「スープを粉にしてお湯を注げばはいできあがり〜♪」
「ってスープを粉末にするの?」
「うん」
「どうやって」
「えへへ☆」
「いや、えへへじゃなくて」
「えっとねー、スープを作ってそれを霧状にしちゃうの!」
「Σ」
「それを乾燥させてやると粉になって落ちてくるんだよー」
「霧の状態で乾燥させるって無理じゃない?」
「熱風をあてれば出来るらしいよー」
「た、大変そうだね」
「まあ何事も挑戦だー!」

ということで大量のスープの作成に取り掛かる。
詳しくは書かないがこれがるしにゃん王国においての即席麺の誕生の瞬間になる。
数時間後。

「できたー☆」
「つ、疲れたーorz」
「がんばったねー♪」
「もういやorz」
「ふふふん♪」
「・・・orz」
「麺の方はとっくにできてるねー」
「だねー、というか何でスープを私たち二人でやってたのよ」
「だって麺とかも作業しなくちゃじゃん!」
「とっくに終わってるのに誰も手伝ってくれないorz」
「あはははは(笑)」
「あははははじゃなくて!」
「えー?気にしたらまけだよー」
「もういいですorz」

すごく端折っているが、そんなわけで粉末スープの作り方が確立され、大量生産が始まることとなる。
この二人の功績は国中の人が知るものとなる。



それはもう少し先のお話

で、一人分の量に麺とスープを梱包していく作業が始まった。
ライスペーパーは粉末スープが出来たことで麺の量を多くしたいということで作られなかったのである。

袋に一人前の麺と粉末スープを入れて密封。
共に乾燥状態なのでとても長い間保存できる優れものである。

「いやー、出来たね!」
「疲れたよorz」
「楽しかったじゃん」
「いやまあ疲れたよお姉ちゃんはorz」
「歳だにゃー」
「な・ん・だ・って?」
「ひぃ!ころされるー(笑)」

と、いう感じで古米の加工はされていった。
もちろん麺にされずにお米の状態で収められたものもたくさんある。

なお、登場人物が異様に少ないが、描写されていないだけであって、しっかりと作業をしているのであしからず(笑)

/*/