豊饒の大地。それは、湿潤で沢山の実りがある、
肥沃な土を持つ地形のことである。
肥えた大地にはまず植物が育つ。
風や鳥が運ぶ種が芽を出し、肥沃な大地の元で生い茂り、
低木・高木が育つ森へと成長する。
その最中、植物を餌とする草食動物が土地で繁殖し、
やがては草食動物を餌とする肉食動物が現れる。
そうして形成される大きな食物連鎖がある土地には、
人が寄り添うように集まって定住する。
形成された集落はいつしか村へ、村から都市へ、
やがては国を名乗れる程にまで発展した社会を形成する。
こういった流れは歴史的に証明された事実であり、
豊富な水源を保有する大河と、その近くにある、
適度な水はけと上流からの堆積によって肥沃な表土を持つ平野は、
歴史に名前を残す大きな文明が成長する。
たとえその名が書物に残るだけとなる何千年のときを経ても、
広い国土と多くの国民を保有する国家は
あらゆる姿や形を変えて残り続けるものである。
前のページへ
|
テラ領域においてもその定義は変わることはない。
ただ、特色として上げるならば、豊饒の大地と認められることは
その国の食料生産の増産が確約されることだ。
この食料とは国民が生きるためのあらゆる糧の象徴であり、
多くの生命がその国に根付いているということの証明である。
だが、その豊饒の大地の実情は数多ある。
何種類もの気候、いくつもの技術や歴史があることで、
「豊饒の大地」の姿形はいかようにも変わりうるのだ。
当ガイドでは
森国たるるしにゃん王国の豊饒の大地とは何かを紹介する。
それを通じて、要点だけでは曖昧すぎる「豊饒」とは何なのか、
我々の考えた答えを皆さんに見て頂きたいと思う。
|