* * るしにゃんガイド・豊饒の大地 * *


 1.豊饒の大地−目次

  1.目次

  2.豊饒の大地と文明

  3.るしにゃんの土地柄

  4.豊富な水源

  5.るしにゃんの大森林

  6.本当の豊かさとは

  7.編集後記にかえて



2.豊饒の大地と文明  



  豊饒の大地。それは、湿潤で沢山の実りがある
 肥沃な土を持つ地形のことである。

 肥えた大地にはまず植物が育つ。
 風や鳥が運ぶ種が芽を出し、肥沃な大地の元で生い茂り、
 低木・高木が育つ森へと成長する。
 その最中、植物を餌とする草食動物が土地で繁殖し、
 やがては草食動物を餌とする肉食動物が現れる。

 そうして形成される大きな食物連鎖がある土地には、
 人が寄り添うように集まって定住する。
 形成された集落はいつしか村へ、村から都市へ、
 やがては国を名乗れる程にまで発展した社会を形成する。

 こういった流れは歴史的に証明された事実であり、
 豊富な水源を保有する大河と、その近くにある、
 適度な水はけと上流からの堆積によって肥沃な表土を持つ平野は、
 歴史に名前を残す大きな文明が成長する。

 たとえその名が書物に残るだけとなる何千年のときを経ても、
 広い国土と多くの国民を保有する国家は
 あらゆる姿や形を変えて残り続けるものである。




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  テラ領域においてもその定義は変わることはない。
 ただ、特色として上げるならば、豊饒の大地と認められることは
 その国の食料生産の増産が確約されることだ。

 この食料とは国民が生きるためのあらゆる糧の象徴であり、
 多くの生命がその国に根付いているということの証明である。

 だが、その豊饒の大地の実情は数多ある。
 何種類もの気候、いくつもの技術や歴史があることで、
 「豊饒の大地」の姿形はいかようにも変わりうるのだ。

 当ガイドでは
 森国たるるしにゃん王国の豊饒の大地とは何かを紹介する。
 それを通じて、要点だけでは曖昧すぎる「豊饒」とは何なのか、
 我々の考えた答えを皆さんに見て頂きたいと思う。
 


















3.るしにゃんの土地柄
全土にわたる豊饒の大地




 るしにゃん王国が豊饒の大地といえる由縁は、その国の地形から生じる気候に由来するものが大きい。
 地形の様子の大枠を把握するのには、地形図のようになっている旧式の藩国地図が非常に分かりやすい。
 横長なため非常に小さい図となってしまっているが、上の写し絵を見ながら考えてほしい。

 るしにゃん王国はその大半が森に覆われ、西部に大きな湖を、東部には山地を有する起伏に飛んだ土地である。
 土地と人々の中心はアルフォンス河が流れる平地であり、市街地となる森林は河の周辺に広がっているが、
 森や河を生み出した要員はその山地と湖にある。
 
 山地とは緩やかな壁であり、その壁を乗り越えようとする風は空気の中でも重い成分である湿気(水蒸気)を捨てなくてはならない。
 そのため山の麓では雨が降りやすいのだ。そうして降った雨は僅かな傾斜を見つけては流れていき、川を形成する。
 河は岩山を浸食して土砂を作り、新しい砂や土を流域に運ぶ。粒の揃った砂や土は植物の育成に非常に向いたものであり、
 その土砂の堆積や度重なる侵食が進むことで植物の育成に向いた平野が形成される。
 それが、現在のアルフォンス河とその周辺に広がる大森林、そして人の作る田畑となったのだ。

 山、平地、湖と起伏に富む地形は風を呼ぶ地形でもある。
 まず、風の源である大気の流れは湖と陸地の暖まりやすさ、冷めやすさの違いによって発生する。
 昼は温まりやすい陸地へ、夜は冷めにくい湖へと大気は流動し、大気の流れは循環している。
 そして、生まれた大気の流れがゆるやかであっても、谷間などで流れを絞られることで勢いが増し、風となる。

 そして、風の刺激は木々の生命力を刺激し、吹き飛ばされないよう木々を強く根付かせる働きをしていることが分かっている。
 生き物が育つには、ただ水、土、光、空気があればよいという物ではないのだ。
 王国を流れる風は森の深くでは感じにくいかもしれないが、運がよければネコリスが風に乗って空を跳ぶ風景を見ることもできるだろう。

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4.豊富な水源
西の湖、アルフォンス河、そして地底湖


<漁船の走る西の湖>


<山地に眠る地底湖>




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○豊富な水源
豊饒の大地には豊富な水源が欠かせない。 多くの動植物は体の多くを水で形成しており、定期的な水分補給は欠かせないからである。
そのため多くの生命が根付くためにはそれだけでも大量の水が必要になるのだ。 そして、水は必要な量だけあればいいというわけではない。
人間で言えば、生きるためには一日に1〜2リットルの水を摂取する必要があると言われているが、 文化的な生活をしようとしたら、炊事・洗濯・入浴などにはその数十倍の水が必要になる。
さらに、ぴったり必要な量の水がある池があったとしても、最後には池の底の泥ごとさらうことになるし、 流れのない少量の水では雑菌や虫が簡単についてしまい、衛生的に重大な問題が起きやすい。
これらの問題を全て払拭するには、相当量の水の常時供給が欠かせないのである。

用水に用いる水は地表を流れる川だけではなく、地中で地層の濾過をうけながら流れる地下水などもある。
るしにゃんの民は、これらの水を必要に応じて石・砂・活性炭などを用いた濾過設備を併用しながらあらゆることに用い、 下水も管理下のもと肥やしなどにして清流を汚すようなことはしていない。

自然の循環を守る形で人が生活をすることで、地形と自然がもたらす豊かな水をそのままに還しているのである。

また、北部には東部とは別に連なる山地があり、その地下では地底湖が形成されていることが確認されている。
地底湖では地表の湖沼・河川とは異なる生態系が形成されており、
その代表的なものが、地表ではまず見ることのない、人の背丈を大きく越えるほどの巨大魚である。 その存在は巨大魚を頂点とした動植物の食物連鎖が形成されていることは容易に想像させる。
地表より小さいながらも濃密な生命の循環が形成されていることは、それだけの上質な水と土壌、強い生命力が存在するということなのだ。

この地底湖の生態系は、基本的に地表の生物と強く干渉しあうことはないが、地底湖も国土であり、自らを取り巻く自然の一部と認識するるしにゃんの民との交流は、祭事を通じて定期的に行われている。




5.るしにゃんの大森林
偉大なる森の生命循環


<森の中から見つけた地下水脈の滝>


<森の中の田畑>




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○過去からの再生と現在の生命
かつて75%を失ったるしにゃんの森は今や魔境と呼ばれる事もあるほどの大森林にまで成長している。
その復活はリワマヒ国の宝重たる生態系回復植物と高原アララ氏による育成支援によるものであり、 共に和すことで取り戻すことのできた素晴らしい財産である。 そして、この森は
落雷などによる森林火災
→アンチマジックベリーによる魔法解除 →若木の復活
 →アンチマジックベリーの成長阻害 →普通の森の形成
という、大いなる森の循環によって常に森は生まれ変わり、成長し続けているのである。

その森の中では、建築資材としても有用な樹木や、高物理域国では高級食材とされる木の実や茸などを見つけることができる。
そうでなくとも食材や医薬品に用いる野草・香草・薬草はいたるところに生息しており、 それらは森の民や原生生物の生きる糧の一つとして用いられている。

また、森に住む動物として、鹿、馬、猫、豹、イノシシなどが確認されており、 もちろん森国の1角として、ネコリスの系統も多く存在している。
その中でも特筆すべきはトラリスとメガデウスネコリスである。
トラリスはネコリスがネコであるように、トラリスはトラに近い姿形を持つ生き物である。 桃が好物であるため、桃の木を探せばトラリスを見つけることは簡単かもしれない。
メガデウスネコリスはネコリスの巨大種であり、かつて絶滅したと思われていたが、 星見司の探求によって世界移動する彼らの休息の地としてこの森に呼ぶことができている。

そして、るしにゃん王国はNWで最も花の美しい国と評されれることもあるなど、その自然の価値・財産はテラ領域内でも認められている。
だがそれゆえに密猟や乱獲への対策は重要な政治課題となり、自然保護が一番厳しい国として認識されているのである。







6.本当の豊かさとは
精神の探求を


<森と共存する王国の森国人達>








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○豊饒の真の意味を探る
ここまで、るしにゃん王国という土地が持つ豊かさについて様々な面を紹介してきた。
ただ農地が、居住地が、自然保護区がという限定的なものではなく、
国全体が豊かであるということは非常に素晴らしく、文明的な営みと、原生生物の自然の営みが両立する姿は調和としか表現しえない。

だが、このバランスはただ物質的な豊かさがあるだけでは成立しえない。 本来、物が増え、贅沢や利便さを知るほどに、人はそれを追及するために欲深くなっていくからだ。
勿論、その欲を歯止めしようとする心も存在するはずだが、たいていは、贅沢や利便さに慣れてしまい、そこから脱却するにはかなりの苦痛が伴ってしまう。

事実、るしにゃん王国の生物資源の豊かさはテラ領域でも屈指のものであるため、法規制を敷かないと圧倒的多数な外国からの乱獲によって即座に絶滅を危惧せねばならぬ状況に陥りかねない。
しかし、国内での法規制は国外に向けたものに比べればかなり低く、その中で文明と自然のバランスが維持されている。
これは、国民が豊かさと欲に対するバランスをも心得た、足るを知る人々であるということの証明に他ならないだろう。

豊饒の大地の本当の豊かさとは、人の心が欲望との付き合い方を学んで初めて知ることができるものなのかもしれない。















7.編集後記にかえて


  るしにゃんガイド、豊饒の大地編はいかがでしたでしょうか?
   編集部は当ガイドブックに対する
     皆様のご意見・ご感想をお待ちしております。




 るしにゃんガイド 豊饒の大地編

 10302102 第一刷発行

  テキスト : ちゃき,クレール,S43

  イラスト : テル,七海,はっぷん,はやて,来須・A・鷹臣

  発行所 : るしにゃん王国



 L:豊饒の大地 = {
  t:名称 = 豊饒の大地(施設)
  t:要点 = 豊穣(湿潤で沢山の実りがある)の大地
  t:周辺環境 = 大河
  t:評価 = なし
  t:特殊 = {
   *豊饒の大地の施設カテゴリ = ,,国家施設。
   *豊饒の大地の位置づけ = ,,生産施設。
   *豊饒の大地の面積 = ,,0m2。
                 (食料生産地は実りのある土地となる。)
   *豊饒の大地の食料増産効果 = ,,(生産フェイズごとに)
        この施設を所有する藩国の食料生産量+30%(+30%)
  }
  t:→次のアイドレス = *AD(アドバンスド)
 }

  食料生産地が取得したSHQの継承により、
  基本数値からさらに+30%されます。
  また、余剰分を####に適用します。


 低物理域と高物理域の国家が混在するテラ領域においては、
 経済活動や高度な技術を用いた開拓によって、たとえ地形や
 自然に恵まれずとも同じだけの資源を確保することができる。
 そのため、自然の豊かさが多くの民を養う大国の条件にはならず
 大国に豊饒の大地が必要とは必ずしも限らない。

 しかし、大自然と共存するるしにゃんの民と、
 大いなる森と生命の循環を有する大森林を保有している
 るしにゃん王国では、豊饒の大地であることと国の豊かさは
 同義となりえるもので、
 森と動物の自然なあり方を保証するもとなりうる。
 
 そのことはるしにゃんの民にとって、
 素晴らしい都市計画にも似た快適な生活を可能にする空間を
 改めて提供するものとなるのではないだろうか。

 そんな期待と、この機会を
 礎としてより豊かで美しい国に発展していくことを祈って、
 るしにゃん王国の豊饒の大地の紹介を終えたいと思う。