○ 秘書官
秘書官とは、公務として国家高官の補佐を行う人々の事である。
ごく単純に言えば多忙を極める国家高官たちに対し、国が補佐の為に用意した秘書たちであり、その基本的な職務は一般的な秘書とそれほど変わらない。
現在、アイドレス世界において最もよく知られているのは、にゃんにゃん共和国のブラック氏、或いはわんわん帝國のシロ宰相を支える秘書官たちである。
多忙を極めることで知られるこの二人の補佐は、当然ながら並大抵の人物では勤まらないものである。
この事実を端的に示すものとして、過去の応募要項にはこのような記述がある。
「○必要資格等応募要綱: 参謀資格、護民官資格、法官資格、吏族資格」
これらの職業は全て、法的な根拠の下に組織され、国家を支える役割を担っている。
しかし、組織として表立って行動する他の有資格者たちに対し、秘書官が担う仕事はその全てが外部に公表されるわけではない。むしろ、国の中枢に属し、機密として扱われる情報を有する彼等である。水面下で収束される場合が大半であることは想像に難くない。
言ってみれば彼らは、巨大国家を本来の意味で支える人物の、更に「裏方」であるともいえよう。
また、この職務で必要とされるものは、単なる頭脳だけではないともいわれる。
わんわん帝國側、宰相シロの秘書官団には近年、密かに専用I=Dが制作、配備されたとの話がある。対するにゃんにゃん共和国側もまた、明らかにこそなっていないものの、ある程度の備えは行われているであろう事は予想に難くない。
国の中枢を人知れず担う、懐刀。それが秘書官という存在なのである。
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