これは今の地に王国を築く前のお話。
るしにゃん王国は、当初、同盟国である芥辺境藩国の救援要請を受けて3機のアイドレスを出撃させる予定であった。
この救援要請に対し、るしふぁ王は自ら出撃しようとしたが、S43に
S43「ここは年の順で私が出よう。成人もしていない若者は命を大切にしなさい。」
とたしなめられた。
S43は「セーラを頼む」と幽に言い残し、猫士セーラと共にロデム号に乗り込む事となった。
愛する人の名の猫と共に死ねるなら、ましてやそれが水の巫女を救う為に少しでも役立つなら本望であるとでも言うかのように。
更夜はTT作戦で小隊長を務めた経験を買われ、猫士ろくたと共に雪風号へ搭乗。
ゆうみは、はっぷんとテルは国力増強に欠かせない人員であり、アイドレスで出撃させるべきではないと主張し、猫士サリスと共にインボルト号での出撃を望んだ。
敵が迫り、その戦力差が明らかになった時、るしにゃん王国は残る1機のアイドレスを戦場に投入することを決めた。
トリプルエースちゃき、式神3でエースを狙うラスカーズが不在だった為、もう一人誰が乗るか、という話が持ち上がった時。
七海「自分は国に残っていても大したことはできません。ですから、これくらいは貢献させてください。」
という言葉と共に、七海が志願した。
S43は、幽が出撃しない事を知り、内心安堵するとともに、七海に感謝した。
幽まで道連れにしてしまっては、セーラを頼める者がいなくなってしまうからである。
出撃前。
この戦力差では、全員が無事に帰還することはないだろうと、パイロット達は遺書を残した。
思い思いに書いたつもりの遺書。
しかし、その内容の殆どは成人していない王を憂えたものであった。
遺書はテルに託された。
4通の封筒を抱きしめ、空を見上げるテル。
テル「私はこれを読みません。だから、必ず帰ってきて、照れながらこれを破り捨ててください。」
彼女の祈りは届くのだろうか。