太陽の塔 塔主S43による考察と解説
○はじめに
本考察は2007/07/05にS43が行った第二次黄金戦争の背景に関する考察です。
アイドレスだけでなく、過去の無名世界観作品を網羅する形で考察を行っています。
最新の公開情報を反映させたものではありませんし、全てが正解というわけでもないでしょう。
逆に、だからこそ、どのように考察し、どう未来を予測するのかという事がわかっていただけるかと思います。
星見司の活動の一端を知っていただくと同時に、
現在、最終局面を迎えたアイドレスの裏側に何があるのかという謎に興味をもっていただければと思い公開いたします。
わかりにくい用語などは注釈をつけましたが、十分ではないと思いますので、どんどん質問をお寄せください。
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○根源種族の帰還と世界分裂
事件の発端である灰色の泡の出現は、既知の3000余りの世界が、加速し、根源種族(=オーマ)が閉じ込められていた閉鎖世界に接続してしまった事が原因である。
第6世界の分裂、第6世界群の発生から、世界はバランスを崩しており、大絢爛舞踏祭事件の遥か以前、2001年には第7世界は加速を開始している。
おそらくは世界分裂した時点から相対的な加速が始まっていたと考えられる。
世界の分裂は分裂世界を加速させ、この世界と情報連結していた世界も引き摺られるように加速を開始したのだろう。
※注釈1
無名世界観には「世界速度」という概念があり、それぞれの世界で異なっています。
世界速度はその世界で起こる出来事と他の世界との情報のやり取りの程度で変化します。
世界速度の差が世界の距離、つまり世界の差・違いです。
距離が離れる(速度の差が広がる)と世界の様子は大きく異なり、逆だと近くなります。
差が大きくなり過ぎると、他の世界と切り離され、孤立してしまいます。
これを「世界閉鎖」と呼びます。
反対に、差が小さくなり、世界速度が一致した時、世界は重なって存在します。
これを「ワールドクロス」といい、重なった世界は一つの世界の過去・未来の関係になると考えられています。
ここで言う「接続」とは、ワールドクロスに至る前の段階を意味しています。
それは、他の世界と情報で結びつき互いを近づけるシステム「ワールド・タイム・ゲート=WTG」
によって、情報がやり取りされる状態です。
この状態が本来の世界のあるべき姿で、我々の知る世界はこうして互いに結びついています。
世界間で情報がやり取りされることを情報補完といいます。
互いに足りない情報を埋め合わせ(=情報を補完する)、近づいていく仕組みになっています。
情報補完の結果、世界の差がなくなるとWTGは機能を停止します。
この状態を「WTGが閉じる」といいます。
WTGが閉じると世界は各々の事情で変化し、徐々に差が生まれていきます。
こうして、近づくと離れ、離れると近づくというようにWTGは機能します。
この働きでそれぞれの世界は「完全に同じではないが、大筋では同じ」という関係を維持しているのです。
「灰色の泡」は
この時
初めて登場した現象です。
当初、その正体は不明でしたが、
"第2次黄金戦争のはじまり"
で、根源種族が出現しました。
「根源種族」は、
「水素の心臓」という作品の
年表に僅かに名前が登場する他には、一切が謎の存在でした。
第2次黄金戦争に先駆ける「アプローの涙」で、
我々プレイヤーの敵として現われ、
オーマ
=アラダ
であることがわかりました。
彼らは「我々が外征している間にひどい有様だな」と言い、我々の知る世界以外からやってきたことが示唆されていました。
世界はWTGで結ばれ、ある程度はその様子を知ることができますが、我々はアラダ達の存在もその世界も知りませんでした。
一方、閉鎖世界は他の世界と繋がりのない世界で、その様子を知ることができません。
この二つを結びつけて「アラダは閉鎖世界から帰還した」と考えたのです。
この事は、6月25日に行われた「星見の塔・質問大会」で確認されています。
サーガの記述に従えば、第6世界の分裂はセプテントリオンに在籍していた頃のAとアリアンの手によるものとされている。
彼のものの第7世界への帰還を防ぐ事が、その目的だったと。
現在のアリアン(=ヤガミ)は、こう言っている。
「誰かが世界(線)を分けている。世界の研究がすすんでからは、あんなもの(NEP)を兵器として使う奴はいない」
「結果としては、世界が最終的には崩壊してしまう……」
第6世界を分裂させた後、GPM23の時点では、第6世界でNEPが使用されていたという記述がある。
一方、絢爛舞踏祭でもNEPは(地球政府の脅しとして)登場するが、この時には既に使用が禁止されている。
NEPはEGB事件後、第5に現われ、回収された聖銃を元に開発されたものであり、第5ではなく第6で兵器として運用されたと考えられる。
NEPが世界線を分けるのであれば、第6世界の分裂はNEPによるものだと考えていいだろう。
その後、世界の分裂が世界の加速を生み出すことがわかり、使用が禁止されたと考えれば一応の辻褄があう。
これが正しければ、世界の分裂が、黄金戦争の扉をノックしたものであっても、Aとアリアン、そしてセプテントリオンにはその自覚がなかったと見ていいだろう。
しかし、ヤガミは「”誰か”が世界(線)を分けている。」と言っている。
作為的に世界を分け、加速させている誰かがいると。
※注釈2
○サーガ
「アルファ・システム サーガ」(樹想社)
という書籍で無名世界観の解説が載っています。
これ単独が情報ソースになっているケースもありますので、世界の謎を追う上で重要なアイテムといえます。
○世界線
無名世界観には
「物理域」
という概念があり、世界はどの物理域に存在するかによってその物理法則が異なります。
例えば
「精霊機導弾」
の舞台となった第4世界では、
「精霊回路」
を核とした魔法が物理法則を支配しています。
世界がどの物理域に存在するのかという「位置」が先述の速度と共に世界のあり様を表しており、これを併せて「世界軌道」といいます。
世界が描く軌道はその世界の歴史を表し、「世界線」とも呼ばれます。
○聖銃とNEP
聖銃は歴史を変えうる唯一の存在です。
NEPはその聖銃の機能をコピーしたモノで同じく歴史を変えることができます。
詳しくはリンク先を参照してください。
○セプテントリオン
大絢爛舞踏祭事件では、黒幕はセプテントリオンだった。
瀧川一族の歴史改変による抹殺、そして、絢爛世界の100年の平和の阻止。
それが目的だった。
作戦は失敗したが、続く白いオーケストラ事件では、火星への侵攻に成功している。
白いオーケストラは娘を助けようとするAと利害関係の一致したセプテントリオンが起こした事件とも言えるが、主導者は主にAだったように思われる。
この事件の裏で超新星爆発、つまり灰色の泡が観測され、出現した正体不明の艦隊(おそらくは根源種族)と交戦、大敗を喫したことから、内紛に発展し、組織は二分される結果になった。
この一戦でもNEPを兵器として使用していることが記されている。
大絢爛舞踏祭は聖銃による歴史改変、灰色の泡観測艦隊はNEPと、ヤガミのいうタブーをセプテントリオンは積極的に犯している。
では、セプテントリオンが”誰か”なのであろうか?
セプテントリオンは、内紛後、一旦は壊滅的打撃を与えたヤガミ率いる神聖同盟との間に休戦協定を結んでいる。
以降、目立った動きはなく、白いオーケストラで一度は手に入れた火星も手放す結果になっている。
レムーリアでのターニの帰還事件では、セプテントリオンのイヤーワーカーであるOKが関与していたが、組織的な動きとしては規模が小さく、アプローの涙では、組織を抜けたKOが私怨で関わっていたに過ぎない。
第二次黄金戦争に突入後は、小笠原でHIが確認されるまで、全く姿は見えてこない。
これでは、黒幕と判断する材料が少なく、その目的も想像できず、オーマはセプテントリオンにとっても予想外の敵であるようにしかみえない。
事件の引き金になっていると予測されるたんぽぽに関する異常について考えてもセプテントリオンが積極的に関わっているとは思えない。
たんぽぽの使用阻止に動いていたのはクーラ一派であり、現在確認されているHIにしても、これと戦う立場にあった。
※注釈3
○セプテントリオン
無名世界観における「悪役組織」の呼称です。
様々な作品の裏で暗躍しており、プレイヤーは幾度となく戦ってきました。
その一方で、魅力的なキャラクターも多く存在し、多くのファンがいます。
過去にセプテントリオンに在籍したキャラクターが今は敵対しているというケースも多くあります。
黒衣がトレードマークで、幹部クラスは「RS」「TY」といったアルファベット2文字のコードネームを持つことが多いです。
末端構成員には現地の世界の住民もいますが、主要なメンバーは
世界移動存在です。
また、世界移動存在の多くがこれに所属し、発見されている聖銃の多くも有しています。
○たんぽぽ
ガンパレード・オーケストラ
に登場する世界最大の能動式天体望遠鏡の呼称です。
小笠原に存在し、作中では
黒い月を観測する為に使用されました。
アイドレスでは、地震により傾いており、ここを起点として歴史が変わってしまっているのではないかと推測されています。
○クーラ・ベルカルド
そのクーラ一派はアプローの涙事件の終盤、第二次黄金戦争の先駆けともいえる広島での戦いで姿をみせているが、クーラの撤退直後にセマオーマが現われおり、直接の交戦は確認されていない。
むしろ、クーラの撤退がセマの出現を予見していたかのようである。
クーラはTagamiがネットワークに供与した二丁の聖銃のうちの一丁天照が生み出した「不死のメンテナンサー」である。
世界移動存在にして、風を追う者の王、偉大なる光の王とも称される。
Tagami同様、「複数の世界に同時に存在できる、本当の意味での神に近い存在」であり、 聖銃の帰巣本能により第7世界に向けて侵攻しているという。
彼を生み出す原因となった、EGB(精霊機導弾)事件は、ベルカインの行ったアルスマグナにより、復活した彼のものの為に第4世界が閉鎖し、Tagamiが閉じ込められるところで終わっている。
その彼のものも又第7世界に向けて移動を開始している。
瀧川防衛戦で初めて見せたその姿は、Q目標ペンタクローンさながらに中性的で美しい姿だった。
銃弾を防壁で弾き返し、到底倒せるとは思えない威圧感をもった彼は、になし藩国に現われたボラーと同じ印象を与える存在だった。
ここで、一つの仮説を導入する。
「彼のもの=根源種族=オーマ=クーラ」
この仮説を裏付ける事実と解釈は以下の通り
・彼のものはオリジナルヒューマン
直訳すれば根源的人類であり、根源種族という呼称と意味的に一致する。
・彼のものの復活は世界を加速させる
アイドレスの現状もまさに同じ、オーマの侵攻により世界は加速し閉鎖に向かっている。
オーマがその世界に存在することだけで、世界は閉鎖に向かう。
・WOはAZANTと戦う存在
オーマは真っ先にWOを殺害している。
オーマの出現にWOが免疫機能として働いた結果と考えられる。
・彼のものは近くにいるものを被爆させ全てを彼のものに近づけていく。それがヤオト。
NWでは、オーマの襲来に対応して、PC達はより強化されていっている。
中には覚醒し、オーマとなるものもいる。
オーマが彼のものなら、覚醒したPCはヤオト体といえる。
悲しみの聖戦で光の軍勢は第4世界に彼のものを封印したという。
絢爛舞踏祭でのTagamiのセリフからもこれは事実だろう。
ベルカインが目覚めさせた「彼のもの」は確かにヤオトを呼び、世界を変容させていったと言える。
だが、この彼のものが具体的にどんな存在であるかは明かされてない。
目撃例も語られず、精霊降る大地となった第4世界を語るプルムの記憶にも現われない。
代わりに現われたのはクーラである。
サーガの記述を要約すると「クーラは聖銃の帰巣本能で第7を目指し、彼のもの本体が移動する前にそのゲートハック能力を利用して第5への逆侵攻を企てた」とある。
彼のものが別に存在したとして、クーラは何故それを出し抜くことができたのか?
姿の全く見えない彼のものという存在を想定するよりもクーラこそが彼のものと考えた方がよほど納得がいく。
※注釈4
○クーラ・ベルカルド
セプテントリオンにもまして裏で暗躍する存在です。
明確な活動としては、幻獣を率いて率いて行った第4世界から第5世界への逆侵攻があります。
式神の城シリーズの日向玄乃丈の婚約者日和子を殺害したのもクーラです。
式神の城事件は、セプテントリオンが式神世界で死んだ日和子を核にWTGを開こうとしたことを発端としています。
この点で、式神の城事件の本当の黒幕はクーラであると見ることができます。
アプローの涙と第二次黄金戦争を繋ぐ、
瀧川防衛戦で、その姿を初めてみせました。
○彼のもの
無名世界観の謎の中でも中心的な謎です。
その正体を知ることは「世界の謎」ゲームの大きな目的の一つです。
○WO
ワールドオーダー=世界の秩序と呼ばれる存在で、世界が他の世界からの侵略に対抗する為の免疫機構と言われています。
○AZANT
詳しくは明かされていない謎の存在です。
「彼のもの」の配下とも「彼のもの」そのものであるとも言われ、世界にとっては災厄をもたらす敵と認識されます。
○悲しみの聖戦
伝説に語られるアラダと彼のものの軍勢との戦いです。
○プルム
ガンパレードオーケストラ青の章に登場するキャラクターで、幻獣=第4世界人の工作員です。
○彼のものと根源種族
彼のもの=オーマだとすれば、その封印とは、世界閉鎖を指すと思われる。
「彼のものは風の中心にいる」のだから、世界閉鎖しセントラルに落として封じたのだろう。
灰色の泡はセントラルの崩壊と時を同じくして出現している。
出現したから崩壊したのか、崩壊したから出現したのかはわからないが、この二つは矛盾しない。
根源種族=オーマは移動存在である。
クーラは第4にいて、なお移動存在であり、風を追う者の王と呼ばれていた。
第4で生まれた者が、第4に居ながら移動存在であるのはおかしい。
閉鎖世界から第4に移動してきてクーラになったのではないだろうか?
「複数の世界に同時に存在できる」ということを、現在確認できるオーマと同様、WOに対抗し、移動しても同一存在を消されずに存在できる状態のことを指すと考えれば、これも査証となるだろう。
根源種族は移動存在であり、風とは世界、本来移動をし続けなければならない移動存在を風を追う者という。
風を追う者の王は、移動存在の王であり、即ち根源種族の王でもあるはずだ。
互いに殺し合い一なる一人を選ぶ黄金戦争の勝者はまさに風を追う者の王ではないだろうか?
これらが正しければ、クーラはアルスマグナにより閉鎖世界から第4に出現した根源種族=オーマであり、一なる一人を選ぶ戦いをする為に全てを仕組み、頂点に立とうとしていると考えられる。
そして、その頂点に立つものこそが彼のものなのではないだろうか?
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○最新の情報とこれからすべきこと
この考察の後、小笠原リゾートで新しい事実が判明しました。
「小笠原ゲーム:終末の調べ」
一部を抜粋します。
ブータ:「誰も彼もがオーマになりはじめている。せかいの終わりは近い」
ブータ:「かのものが近いのだ。人が人をやめ、なにかになろうとしている」
ブータ:「もはや新たに生まれる子は人間ではあるまい。それは人を地べたすりと呼ぶなにかだ」
吾妻 勲:「…!まさか…オーマが、…ヒトのヤオト体だと言うのですか?」
芝村:ブータはうなずいた。
TAGAMI:<強すぎるACEは、なにもしなくなる。ユーリのように。時は近い>
TAGAMI:<もう、死すらもなくなりつつあるのよ>
ブータ:「かのものが人やこの世の生き物を考えることもない」
ブータ:「ただ通り過ぎるだけだ」
つまり、アラダは人が彼のものに近づいた存在=人のヤオト体であり、既に人でない人の一つ。
何者かが始めた第二次黄金戦争は、全ての世界を一つにし、時も場所も何もかもが意味を持たない状態にしてしまうものだったのです。
この戦いの中で、我々はより強い敵を倒す為にイグドラシルの枝を伸ばし、多くの根源力を手にしてきました。
それすらが、ヤオトの、彼のものに近づく現象の一部分であったということになるのです。
未公開の小笠原リゾートからの情報(近々公開されるでしょう)では、世界の終末が更に進んでいることが明かされています。
世界に降る精霊の雪は、膨大な力を与え、死すら遠ざけますが、それは全てが静止した世界。
完全なるワールドデッドエンドを意味します。
運命論者の来須はこれを容認し、運命に従うようになってしまいました。
死んだ筈のキャラクターがACEとして現れ、確率存在として、幾つもの場所に同時に存在する。
時も、場所も、死も、全てが意味を失い、精霊に満たされた人は一切の意欲を喪失してしまいます。
TAGAMIはそうして停止しました。
他のACEも全て停止する運命にあります。
この閉塞した「未来」を打ち壊し、本来の未来、無限の可能性を秘めた未来を取り戻す為には、どうすればいいのでしょう。
現在残る敵の数は「4」です。
うち三つは「黒」「橙」「セプテントリオン」として考えて、残るもう一つが隠しステージの黒幕なのでしょう。
私の予測ではこれがクーラ、そして彼のものになろうとしている者だと考えます。
これを倒し、Sランクを得る。
運命を打ち破ることが、唯一、未来を取り戻す方法であり、AランクやBランクは時間を稼ぐだけだと思います。
全てが凍りついた未来を認めないのなら、これを実現するしかないのでしょう。
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