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るしにゃん王国
王宮から政庁前を通り、アルフォンス河と並行する街道沿い
先日の北海島 迎撃戦における大勝利を祝う戦勝パレードが執り行なわれていた…
その様子は国営放送及び民放各局を通じて全国民宅にTV配信されていた
もっとも、リアルタイムでTVをみているものは、病人や老人といった体の不自由な者やどうしても職場にでなければならない者だけだった
それ以外のすべて国民は沿道に集まり、お祭騒ぎを満喫していたのだ
/国営放送(LHK)の場合/
「ご覧ください。
こちらでは凱旋パレードが行われています。
ものすごい人だかりができています。
振られるいくつもの共和国旗と
熱狂的な拍手で迎えられているのは、
先の戦いで勝利を果たした我が国の精鋭部隊たちです。
彼らの相棒を務めた猫士たちもいます。
礼服で凛々しく正装した、るしにゃん王国の剣たち。
集まった国民たちへ手を振り返しています。
中にはなんと藩王るしふぁ閣下や王猫アルフォンス猊下自らのお姿も見えます。
直接アルフォンス猊下のお姿を見ることを目的に
やってきた国民も多いようです。
戦争前は体格面で劣ると見られていたるしにゃん軍ですが、
聯合軍の一員として善戦いたしました。
中でも摂政S43氏は
大隊長として指揮を執り見事な貢献を果たし、
恩典を授与されています。
今日の平和を生み出した、勇士たちの姿がここにあります。
街道には国民たちの歓声が絶えず響き渡っています。
るしふぁ王名義で出されたマスコミ向けの声明では
『皆の努力の結果として、
今回の戦いに勝利することができました。
まずはその努力に深く感謝いたします。
ですが、
この度現れた根源種族と呼ばれる敵対勢力の脅威が
去ったわけではありません。
長年の敵であるわんわん帝國も怪しい動きを見せています。
戦争に勝つためではなく、
ただ<共に和す>という自由の旗の信念の実現のために。
これからも皆様の協力と裁定をお願いします』
と述べられています。
また、今後に備え、
るしにゃん王国に協力してくれる新規国民を強く求めており、
これを歓迎するとのことです。
一部の識者には、
このパレードの華やかさの裏に潜む
王国の窮地を危惧する声もあります。
以上、現場からでした」
/民放の場合/
「こちらレポーターのタマ2です。うわっ!すごい人でにゃ!」
今日は、るしにゃん王国で大規模な戦勝パレードが催されていた。
「早速、先頭が見えてまいりました。
一番前にいるのは・・・藩王です。
るしにゃん国王とはっぷん技師が並んで手を振っておられます!」
先頭の車両に乗っていたはっぷんとるしにゃんがそろって、祝福する人たちににこやかな笑みを浮かべている。
るしにゃんは、とりあえずの勝利を喜び国民に手を振った。
「先頭車の後ろの方には、アルフォンスさまとS43摂政です。親子って感じです。くーっ、いい風景ですにゃ!」
S43は、ひざの上にアルフォンスを抱え国民に手を振った。
「にゃはは♪」
アルフォンスは、S43の心情を察したか、とりあえず笑った。
S43もつられて笑った。
「続いて2号車見えてきました。乗ってらっしゃるのは、幽、更夜、テル、それにちゃきのようです。
皆さん、お怪我も無い様で元気そうです。
そういえば、皆さんおそろいの勲章ですね!
今回の作戦の勲章だそうです。
みなさん、にあってますにゃー。」
テルは、フロントガラスに身から乗り出してみんなに手を振った。
なにを考えたかちゃきは、釣竿を持っていた。
幽は、ツインテールを風になびかせ笑顔を振りまいた。
一方、更夜はちょっと微妙な心境だった。
”パレードなんてやったらもう飲み屋のみんなに素性が、ばれちまうじゃねーか!”なんて考えていたが、もうどうしようもないと思ったか、やけくそで、国旗を振り回すことにした。
そんな姿をげらげらと、ろくたが笑っていた。
「それから、3号車もきました。
七海、ゆうみ、クレール、それにぷーとらです。
よけ藩国のパレードから駆けつけてくれたようです。
しっかし、かわいいな!わたし、女ですが正直くやしいにゃ!」
さすがに、疲れたのかぷーとらは、ちょっと顔色がよくなかったが何とか化粧でごまかしていた。
とはいえ、クレールはそのことに気づき気遣っていた。
ゆうみは、ぷーとらが疲れていると思ってぷーとらの分まで手を振ろうと思った。
七海は、イセスを抱え皆に手を振っていた。
「あ、最後の4号車です。
はやて、鷹臣、Chess、Tntです。
はやてくんと鷹臣さんが無事で、おねーさん安心です!」
「あんまり、はしゃぐなってこっちが恥ずかしいよ鷹臣。」
「なに?もしかしてあんた照れてるの?はやて」
「そ、そんなわけあるか!」
そういって、大手を振る鷹臣とは対照的に、はやては小さく手を振った。
ChessとTntは、なんだか急に呼び出されて戦争にいってパレードでなんだか気持ちの整理とかついていなかったけど、国民の声援を聞くとなんだかこみ上げてきた。
Chessは、すこし恥ずかしいのか、下を向いてにゃーといって爪をならした。
「以上、で全ての車両が過ぎました。これで中継を終わります。
それでは、スタジオのミケさん、マイクをお返ししまーす!」
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