食糧生産地
るしにゃん王国の食糧は国土中央の農作地帯で生産される様々な農作物と国土南方の湖で採れる水産物がその中心となっている。
時には森に暮らす動物を狩る場合もあるが、あまり盛んではない。 湖の魚は常食として摂取するので、別に菜食主義というわけではない。
食料の自給率は、100%である。 恵まれた、食料生産地であるが必要以上の開発は国会によって禁止されている。 また、国民のほとんどがそのことに賛成しており、伝統として根付いている。
民族的には、森の狩人として様々な動物を狩った歴史もあるのだが、王と王猫が掲げる理想では、森に棲む動物も同胞であり、病気や怪我で自我をなくし凶暴化した場合などを除き、これを狩るということはない。
湖の恵
国土南部の湖は実に豊富な水産資源に恵まれている 主には魚類で、干物に加工することで保存食として重宝されている。 にゃんにゃんに共するだけあって、猫や猫士も多く住んでいる関係もあり、魚料理は国民食として定着している。 得に、干物は朝方の住宅地では、多くの家庭で焼いているいい匂いがする。 旅から帰ってきた猫士の中にはこの匂いを嗅いで、やっと帰ってきたな、と思う者もいるという。
南東部に位置する漁港から一斉に出航する漁船団の様子は壮観であり、季節毎の風物詩となっている。
地底湖の巨大魚
国土北部の山間部の地下には、地底湖が存在する。 ここは神聖な場所とされ、通常は漁をするようなことはないが、南部の湖とは異なる種類の魚が確認されている。
猫士の漁師たちと理力使いの尽力により、あらたな漁場となった。 ここでの漁は並大抵の苦労ではないが、取れる魚の大きさは湖の比ではない。 苦労が多いためか、だれからともなく漁の前後には水の祠に祈りを捧げるようになった。 また、一人で漁に来ることは禁止され数人一組で、できれば理力使いを共にして漁をすることとなっている。 まだこの漁場に慣れないものも多く、巨大魚の硬い鱗で怪我をするものも少なくない。 地底湖という場所柄、暗い中での漁となるため、猫士の漁師以外はここでの漁はまず無理だろうと言われている。
大地の恵
主食としては、国土中央の小麦畑で採れる小麦を主原料とするパンであり、長年に渡って研究されてきた製パン技術は芸術の粋に到達していると言われる。
森国人に伝承される技術はただのパンを魔法のパンに変える。 極少量で満腹感を得られ、一口食べれば千里を走り、その味は一度食べたら他のパンは食べられなくなると言われるほどである。 その製パン技術は門外不出の秘伝である。
国を東西に分断するように流れるアルフォンス河には巨大な水車が設置されており、これを利用して小麦は製粉される。 これに隣接して小麦粉の保管倉庫、製パン工場が併設されており、年中美味しいパンが製造されている。 工場では森国人に混じって猫士達も多く働いている。 これは近年開発された「またたびパン」によるところが大きい。 またたびは、「食べれば、(帰ってきた旅人が)”又旅”に出る」という喩えにあるように栄養価が高く、また、猫の好物としても有名な果実である。 これを秘伝のパンと組合せ、より栄養価が高く、美味しいパンが開発されたことで、気まぐれな猫士達の心を掴む事になった。 自分が食べて美味しいものは、他の仲間達にも食べさせてあげたいという、なんとも心温まる理由から猫士達はこぞって、製パン技術を学び、工場で働くことで国に、仲間達に貢献しようとしているのだ。
森の恵
リンゴも又、るしにゃん王国の主要な作物のひとつである。 アメリカでは「一日に一個のリンゴを食べると健康に暮らせる」といわれ、広く食される果物だ。
るしにゃん王国は、比較的周りの山々による日光の遮蔽がないため、 リンゴの赤色を出すために重要な日照面で地形的にりんごの栽培に適している。 リンゴ好きの間では、色を見たらるしにゃん王国のリンゴだと分かるとさえ言われている。 収穫期の果樹園では生い茂る葉の影にたわわに実ったりんごが赤く輝いて見える。 このように、実が見えるということは、リンゴに十分に日が当たっていることであり、 美しいリンゴ畑は、まさに宝石箱のようなものである。 また、森国人の特徴である感覚や知識によって 木々の声を聞き、きめ細かな世話をすることで、非常に良質なりんごを産出している。
王猫アルフォンスもこれをよく好み、それを知る国民達は、毎年最高のできのリンゴを供物として献上している。 御用リンゴは他のリンゴとは別物と云われ、その味は現実を忘れ、しばし恍惚となると言われる。
そこまでではないにしろ、通常市場に流通するリンゴも非常に高品質で知られている。 一般的には、リンゴには袋をかぶせ害虫から防ぐが、るしにゃん王国ではほとんど農家が、無袋栽培を行っているため、その愛情と手間は、他国のものとは比較にならない。 このように愛情を込め、手間をかけた作物が美味しくなるのは道理と言えよう。
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