知恵者
絢爛世界。
とある都市船に寄港した夜明けの船に乗り込んできた変人。
全知類に従うはずのBALLSに嫌われる男。
艦載詩人を名乗り、夜明けの船でもまず仕事をしない。
まるまると太った大酒呑みの男で、人の神経を逆撫でする事しか言わない。
見るからに怪しく、謎の格好をしている。
カニ歩きをする姿はユーモラスだが、それにすら何かしら意味がある(筈だ)。
その正体は、グレートワイズマン。
Tagamiの夫。
「記憶継承をしながら未来永劫に生きていく存在」
セプテントリオンではブラウ=青と呼ばれる。
第6世界を分裂させた張本人。
つまりは、A、ユーリ・アルトバランス・田神。
グレートワイズマンは絢爛世界で50億年前に銀河100種族の種をまいた。
それほど長く存在している。
多くの娘を持ち、時には自らRBを建造している。
その娘の守り刀となるように。
彼女達に誇りを守る、その為だけに使われるように。
小村佳々子の慈愛号
陽子の太陽号
暁ゆかりの雷鳥号
朝日野あやめの聖紫号
東原希望の閃光号
シオネ・アラダの皇帝号
これらがその全てである。
娘の相手にもRBを与えることがあるが、それは常に量産機を改造したものであり、愛情の深さの違いが、あからさまに見てとれる。
あらゆる意味で謎の存在であり、常人の理解の外にある知恵者だが、こんな所だけは、わかり易すぎる男である。
前髪しかないのは、幸運の女神と同じであり、捉まえようと後を追っても決して捉まえることが出来ない。
そんな存在である。
ハノイ空港の惨劇では、次元接続リングを使っていた。
アイドレスが始まってからは、サウド・モハメッド・アル・サウードと行動を共にしている。
例によって、目的がわからないが、目に見えるところ、見えないところで活発に行動しているようである。
小笠原リゾートにも関与していることが最近わかった。
[文章:S43]
○知恵者の来訪。
それはある朝の出来事。
るしふぁ王とアルフォンス様はごく普通に目を覚まし,ごく普通に着替え,ごく普通に朝食を食べる広間へと向かいました。
ただ一つ違っていたのは,アルフォンス様の席に先客がいたことです。
「 に ゃ は は ♪ 」
(画像をクリックすると新たな衝撃が…)
「ちょ、おま……!」
「 に ゃ は は ♪ 」
前髪しかない頭の上にネコミミがついている。どうもアルフォンスのものまねのよう。
しかもちゃっかりナプキンまで広げて、ご飯を食べる気まんまんである。
「ち、知恵者ぁ!? どうしてここにいるんだ!」
「朝食を食べにきたのだ、見てわからんか?」
「そうじゃなくて!」
「そなたの国が次のアイドレスに我を取得したからにきまっているだろう。ご指名ありがとうございます。あなたの知恵者です。」
「はぁ!?」
ツッコミにもならない叫びを上げるるしふぁ。
(いかん!これでは知恵者に負けてしまう。)
「ということでアンケートだ。我との乙女のキスの味はどうだったかな? 甘酸っぱいレモンの味?」
「お前とキスなんかしてないっつーの!」
手元の剣を思いっきり振り抜くるしふぁ王。
だが、既に知恵者はイスに残像とナプキンを残してるしふぁ王の背後に立っていた。
「にゃはは! にゅふふ! にょほほ! …ふむ、これはよい。アルフォンス三段活用と名づけよう。」
「こーのーやーろー…。 名づけんでいいっ! この場でしねっ!」
マジコロスモードになったるしふぁが詠唱を始めた瞬間には、笑い声を上げながら高速カニ歩きで逃走している知恵者。
アルフォンス様をさしおいてがるるると追いかけようと走り出するしふぁ王を、はっぷんがとめた。
「まぁまぁ。あの人はまがりなりにも知恵者だ。その行動に意味がないわけがないとはいえるともいえないとも判断しがたいわけで。」
「どっちなんですか!」
「どっちでもいいことです。あの人は基本的に悪いことはしない人だ。だから余りそうむきにならないほうがいいんですよ。」
そう言われ、はっぷんに促されるまま朝食を食べながら落ち着いて考えてみれば、王宮の食堂に知恵者がいたことは護るための城なのにそこまでの侵入が容易である、と考えられるわけだ。
まぁ、どこからともなく沸いてでてきた可能性は否定できないわけだが、ギャグで包んでこの城の警備の脆弱性を指摘したと思えば、悪くない話である。
そう考えてるしふぁ王はるしにゃん王国パンを飲み込み、まぁいいか、今度お酒でも贈ろう、と思った。
[文章:クレール]
[挿絵:スゥ・アンコ]
イラスト:
要点
前髪しかない・太った・謎の格好
周辺環境
夜明けの船
文章:
要点
前髪しかない・太った・謎の格好
周辺環境
夜明けの船
|