トラリス     蘇る咆哮



がうがうちゅー
○トラリス〜遭遇編〜
 ……事の発端は、王宮に対する国民からの投書だった。
 森の中で今まで一度も見たことのない生き物を見た、大型で危険なようなので調べてほしい、というのである。
 折しも来須・A・鷹臣が来須に再会し、その来須の口からネコリスが騎乗兵器だったという過去が明らかとなった直後のこと。
 どのみちネコリスたちの為にも国土の調査は必要と思われた。
「という訳で、調査隊発足の為の必要書類と調査日程です。許可ください」
「承認」
「まあ戦争とかテロとかいつ起こるか判らないんで、あんまり無茶はしない方向性でー」
 ぽんぽん、と国王・摂政二人の判子が書類に押されて、ここにるしにゃん調査隊は設立されたのであった。

 ―――余談だが、この発言から数週間経たないうちにクーリンガンによる大規模テロが発生したのであった。偶然って怖い。


 数日後。
 鬱蒼とした森の中を、調査隊の面々は隊列を組んで歩いていた。
 いずれも言わずと知れたるしにゃん王宮の面々
 ――フルメンバーなのは、ちょっとアレでナニな後遺症のせいである。当然ながら医師も同伴済みだ。
 ちなみに何が起こるか判らず危険だからということで、既に王命でもって付近の住民は避難させている。
 なにせ事態が事態なので、いわゆるゲリラと呼ばれる彼らも今回ばかりは従ってくれたのがありがたいところだ。
「で、――ネコリスはともかく、もう一方のはどういう生き物なんですか」
 なので。――こういう間抜けな事も大っぴらに聞けるという訳である。
 調査隊の一人が手を挙げて訪ねてきた言葉に内心頭を抱えつつ、応じたのはリーダーだった。
「とりあえず熊並に大きい生き物らしいですね。なんでもトラ縞で」
「トラ!?」
「しかも普通のと、白黒のといるみたいで」
「ホワイトタイガー?!」
「でもトラって言うには尻尾が大きくて。なんでも身体の倍くらいあるらしいんですよねえ……」
「……どういう生き物なんですかそれ」
 想像しきれなくなったらしく、漏らされた声に一同がうーーん、と唸る。
「あーでもティラノザウルスとかそんな感じだよね。尻尾長いし。後ろ足で立って、てってってってーと走ったりとか」
「いつからウチの国は恐竜王国になったんですかっ」
「まあ会ってみれば判るんじゃね」
 そんなことを話しながら、薮を掻き分け進むこと小一時間。
 それは――沢のほとりに唐突に姿を現した。

 目算、およそ5メートルほどの体躯を多う毛並みは白。
 それに黒々と踊るのは縞模様。岩を踏みしめる鋭い爪の生えた四つの足。
 虎の耳よりもやや高い位置にある、尖った三角の耳。
 何より、体躯とほぼ同じくらいある長い尻尾は異様に太く―――

「ネコリス……?」
「むしろほら、避けのイグドラシルにあった『ネコリス(大)』?」
「でもあそこまでいくと、トラとリスのあいの子みたいな感じじゃないですか」
「………………かわいい」
「えー。もしもしリーダー?」
「かわいいのかアレ」
 むしろ猛々しいって言わないかしらと首を傾げた瞬間、それは吠えたのだ。

「がうがうちゅー」

 …………リーダーは めろめろ に なった!
 調査隊 は こんらん した!
 ネコリス大(仮称)は ものめずらしそう に こちらをみている!
 ネコリス大(仮称)は なかまをよんだ!
 ネコリス大(仮称)B が あらわれた!
 ネコリス大(仮称)C が あらわれた!
 ネコリス大(仮称) は けいかい している!

「という訳でコマンド?」
「ド●クエ風に実況やってる場合かーーー!」
「だって襲ってくる感じじゃないし」
「え……」
「あ、ほんとだ。襲ってきませんよ」

 ……こんな風にして、るしにゃん王国の面々はトラリスに出会ったのであった。
がうがうちゅー
○トラリス〜絆編〜
突然の未知との遭遇にあわてた調査隊であったが、相手が動かないことで冷静さを取り戻していった。
しかし、その間、なぜかトラのようなネコリスは襲ってはこなかった。
かといって歓迎しているようでもなく、ただ自らの縄張りに現れた異邦人を見張りにきただけのようでもあった。
「早く何か話しをしたほうがいいよ、第七世界人。」
後ろから、声がかかった。振り向けば、ネコをつれた森国人の少年がいた。
「じっちゃんが言うには、トラリスはネコリスと同じように物語が好きなんだって。
 ほら、急がないと餌にされるぞ。」
唐突とはいえ、従わない理由はなく、調査隊は一人を選んで話をさせた。
「え、ええと、ひ、ひとつ、物語を聞いてくれないかな。一人の男と、その大切な人の話。その男にはね……」
――話終えた小一時間後、トラリスと呼ばれた獣はのそりのそりと、ゆっくりとした足取りで森の奥へ消えていった。
「『まあまあだった』ってさ。」
そういって、少年も消えた。
そしてその日はこれ以上の収穫を得ることがかなわず、調査隊も解散することになった。

次の日。
昨夜の遭遇地点に、調査隊の一人、テルが来ていた。片手に本を携えている。
その表紙には、何も書かれていない。本と言うよりは、ノートであった。
しばらくして、トラリスの気配があった。しかし姿が見えない。
テルは姿が見えないことは気にも介さず、手近な岩に腰掛けると、本を開き、声を出して読み始めた。
「るしにゃん王国、森と湖の国に小さな村がありました……」
そして、お話を読み終えると、本を閉じてテルは家路についた。

その次の日。
昨日と同じように、テルはトラリスと出会った場所で、今度は別の本を開き、声を出して読み始めた。
「むかし,むかし。あるところに,一人のおじいさんがいました……」
そして、お話を読み終えると、本を閉じてテルは家路についた。

また次の日。
一昨日と、昨日と同じように、テルはトラリスと出会った場所でまた別の本を開き、声を出して読み始めた。
そして、お話を読み終えると、本を閉じてテルは家路についた。

そうして、森に通い続ける1週間が過ぎた。
テルが本を読みに同じ場所に行くと、トラリスが姿を見せて寝そべっていた。
テルは少し満足げに口角をあげると、いつものように岩にこしかけ、本を開き、声を出して読み始めた。

さらに、トラリスに本を読み聞かせる1週間が過ぎた。
テルがいつものようにトラリス達に本を読み聞かせていると、るしふぁ王が現れた。
トラリスはその様子を見て、首を傾げた。テルも読み上げるのをやめ、何事かと顔を上げる。
現れた藩王は初めてみるその体躯に驚き僅かに不安を顔に浮かべるも、精一杯の威厳を込めて声をあげた。

「ぼくとお友達になってください!!」
がうがうちゅー

○一方、その頃
某日 るしにゃん王国の森で。
来須:「生物兵器だな。昔はもっと大きかった。人が乗れる。あそこにみえるのは小神族用だ」
鷹臣:「!人が乗れるサイズって……あのネコリスの3倍ぐらいです、か……?いやでもそれでもまだ小さい気も……。」
来須:「5mはある。むかし、理力でうみだされたものだ」
鷹臣:「! でっかい……ちなみにそのネコリスのお名前は……?」
来須:「名前はネコリスだ。ヌエ、ということもある」
鷹臣:「乗る以外に何か出来るんですか?」
来須:「空を飛ぶ以外では、牙で戦うな」
鷹臣:「その大きなネコリス、絶滅とかはしてないんですか?」
来須:「半分は人を襲って殺されたな。生命をねじまげて生き物を作る。人為的なヤオトだ」
鷹臣:「……残り半分は、世界移動、ですか?」
来須:「人とともに戦って多くが死んだ。生き残ってる個体があるかはわからない。探せばいるかもしれない」
鷹臣:「……ち、ちなみにテックレベルオーバー……とかそういうものだったりもしますか?」
来須:「竜ほどじゃない」
鷹臣:「あーうん……さ、探してみようかなぁ……。」
来須:「探すなら、るしにゃんの森だろう」
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この愛の語らいとは程遠い会話で得られた情報は、王国中枢に大きな衝撃を与えた。
建国以来、機械文明とは距離を保っていた為に、活動範囲が低物理域に限られているのがるしにゃん王国である。
高物理域を中心に高AR化する敵とそれに対応していった各国の軍備に大きく水をあけられている。

しかし、NWでは物理法則の縛りがない。
その為、低物理域に特化しても対する敵はそうとは限らないのだ。

また、戦場が低物理域であっても、敵は飛翔兵器や騎乗兵器など高ARの兵力を投入してくる。
これに対抗すべく、帝国では高物理域用のサイドカーや低物理域対応の騎乗兵器を有している。

ARの差が致命的な結果を生むことは、過去の戦いが証明している。
差分を消費するまで、一方的に殴られるだけになるのだ。
ARに依らず、自動迎撃できる弓兵は有用な能力を持っているが、奈何せん火力が細かった。
こういった事情で「低物理域下での高AR化」は、るしにゃん王国の、ひいては共和国の悲願であった。

あまり知られていないが、大災害をひき起こす原因となった「靴」も同じ目的を持っていた。
つまり、リアル世界で一年も前からの課題なのである。

今回、新規獲得する枝の候補として最終的に選ばれたのが「低物理域下で運用できる騎乗兵器」であった事は当然に成り行きと言える。
これを受けた予備調査で騎乗兵器として運用できる可能性が示唆されたのは、森に生息する自然動物とネコリスだった。

ネコリスは愛らしい姿で多くの人々に愛され、心を許さないと姿を見せない程の臆病さから、平和の象徴として我々は受け止めてきた。
それの出自が、戦闘用に手を加えられた生物兵器だというのだ。
まったく、びっくりだ。
王国政府は、ほぼ決定していた鹿系の動物の採用凍結し、再調査を行うことを即時決定した。
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時を同じくして、国民より寄せられた目撃情報をもとに、現地調査が行われている頃、藩王るしふぁは金星の塔に居た。
星見司2級のはっぷんを伴っている。
星見司の塔で詳しい情報を調べる為には2級以上の星見司が必須なのだ。

現在摂政に代わり国政を仕切っているクレールも同行させたかったが、先の戦い以降薬物依存の治療の為入院中だ。
1級資格者もいたが、そっちは殺人衝動の治療で拘束中である。

残念ながら塔の中の出来事は部外秘であり、実際に登った者しか知ることができない。
公開が許されるのは、得た結果だけである。

るしふぁとはっぷんが持ち帰った情報は次の通りである。
 A,鳴き声は「がうがうちゅー」
 B,猫神はトラリスの言葉を理解できる
 C,主食は、肉、もしくは情報
 D,うっかりすると喰われるので幼少時から育てなければならない
 E,以前存在が示唆されたヒュージネコリスとは別の種類
 F,生体認証機構がある個体はすでに全滅していて、今残っているのはロール・クランが解除した”チハヤ””チトセ”の子孫達だけ
 G,訓練されていれば、騎乗者と育ての親が違っても大丈夫なくらいには聞き分けや知性がある
 H,世界の終末が来る時にはこれらでないと歯が立たなくなる
 I,彼らには戦う意思がある
 J,「動物使い」の取得はトラリスに騎乗して共に戦うことの役に立つ
 K,「ネコリスの友」は、隔世遺伝で出た、森国人の戦闘系列であり、もとからそれらの戦闘生物向けに改良が加えられている。
 L,スクラムジェットで空を飛ぶ
 M,トラリスの登場に伴い、設定国民達もトラリスに騎乗しはじめる
 N,拡散防止策としてトラリスにマスターを選ばせる事が有効。その為には、悪い人の味方になるなと、小さい時から教えとくといい
 O,ネコリスの友はトラリスとも友であり、ネコリスはトラリスとも友である

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現地調査でその存在が確認され、星見司の塔である程度の情報を得た王国政府は、トラリスを共に戦う仲間として迎えるという決定を下した。
トラリスの存在が、積年の課題を解決する有効な手段であろうことはわかった。
その姿がどれほど愛らしくても戦う為に生まれてきた存在であり、自身に戦う意思がある。
今後の戦況を考えるとその獲得は最早必然と言っても過言ではないだろう。

彼らは血の通った知性ある存在であると同時に強大な力を秘めた生物兵器という側面を持っている。
野生のままに放置してもならず、無配慮に人里に連れて来るわけにもいかない。
日頃から世話をし、十分な意思疎通をする必要がある。
一時的にしかその身をNWに置くことのできない我々にはそれができない。

落雷の頻度で出現する「なりそこない」ですら撃退できる王国の国民は、ただ強いだけでなく、TLOについても詳しいという。
彼らならば、トラリスとの関係を適切にこなす事ができるだろうと考えられた。
世界の危機を招いた第七世界人を信用していない彼らの協力を得る為には、誠意を持って懇願するより他になかった。

病弱王るしふぁは、点滴を受けつつ、森の奥に住む長老を訪ね、その説得にあたった。
一度目は門前払い同然に会う事も叶わず、追い返された。
二度目は発作が出て身動きが取れないところをなりそこないに襲われ、死にそうになっているところを助けられたが、看病されただけで終わった。
三度目にして、漸く話し合う事ができ、不承不承ではあったが、同意に漕ぎ着くことに成功した。

時を置かず、長老を王宮に招き、トラリスに関する意見交換が行われ、以下の方針が決定された。

1,トラリスとの交渉は長老同席の上で藩王るしふぁが行い、長老はこれに協力する
2,トラリスには服従は求めず、共に戦う友として扱う
3,トラリスにはマスターを選ぶ権利を与えると同時に、その判断ができるように教育、指導する
4,トラリスには人と共に暮らす為の制限を守る義務を課すと共に、それを守る限りの自由を有する権利を保障する
5,トラリスの協力が得られた後、彼らの世話は専属の担当を置き、長老の管理下で行う
6,頭数や健康状態、成長の度合い、戦闘能力、気性等といった基礎情報は定期的に政府に報告し、政府はこれを管理する
7,トラリスの世話係は「ネコリスの友」あるいは「猫神」の職にある者が担当する
8,有事の際、トラリスとトラリスの世話人は、政府の指揮下に入る
9,国外からの要請があった場合、派遣、出向を依頼する場合、原則としてこれを拒否できないが、
  トラリスの選ぶマスターに相応しくない場合はこの限りではない
/*/
るしにゃん王国の森の中
5mを越す巨躯を前に、藩王るしふぁは精一杯の威厳を込めて声をあげる。

「ぼくとお友達になってください!!」
がうがうちゅー
○トラリス〜成長編〜
トラリスとの遭遇以後、トラリスと人とが融和すべく、トラリスの幼少時から人の手によって育てられていく事になった。
その育成は、元々トラリスについての造詣の深い長老達の協力により行われ、個体数等がしっかりと管理される。

そうして育てられたトラリスは、野生の個体に見られた人を無差別に傷つけるという習性はなくなり、
るしにゃんの民の友となり、共に暮らし、時に、悪を為す敵へと民と共にその牙を剥きさえした。
そうして共に戦う時には、彼らは民を背に乗せた。
その背に乗れるのは、彼等に選ばれたものだけである。彼らは、乗り手の善なるか否かを見るのだ。

『悪い人の味方をしてはいけないよ』

それは、トラリスは、幼い頃からそう言い聞かされて育てられることに由来する。
彼らは元々高い知性を持っており、そういった判断を下す事は出来た。
むしろ、発汗具合などを嗅ぎ分ける嗅覚、声色を聞き分ける聴覚、微妙な表情具合を見分ける視覚といった人間よりも鋭敏で、
そして人間には誤魔化しきれない部分の情報を得る事ができる五感がある分、嘘偽りを見抜く事においては人よりも非常に長けていた。
こうしたトラリスへの教えは、それと同時に、トラリスの良き友たるようにるしにゃんの民への教えにもなり、
トラリスの存在はるしにゃんにおいて大切な存在へとなっていったのである。
がうがうちゅー
○トラリスと共存する未来
トラリスがるしにゃん王国の一員として認められることは、国に1つの変化を与える。
新しい生態系がるしにゃん王国の環の中に組み込まれたことで、新しい循環の回路が作られるのである。

生物は消費と共に生産を行うものである。消費はもちろん、生きるための糧であるが、その生産の形は多様である。
活動するためのエネルギーや、呼吸によって吐き出す二酸化炭素もまた、生物が生産するものと見ることができるのである。

そして、トラリスはその5mともされる巨体からも分かるとおり、その消費の量は人間のそれとは比べ物にならない。
トラリスが生産するものもまた人と比較して比べ物にならないことは必然である。
(もちろん個体数に相当の差があるため、総合的には人と比較してそれほど強い影響を与えるものではない。)

そこでるしにゃん王国では、トラリスとの共存の形のひとつとして
トラリスの生産物を資源の一つとして利用する研究も進められることになった。
もちろん、それは無理に採取さられるものではなく、育成やケアの過程で抜け落ちたものや、日常生活中に排泄されたフンを取り扱うものである。
#なお、国内の研究者の多くはそれを理解しているが、念のために研究規約としても記載されている。
また生活の場だけでなく、戦場でトラリスと共に戦うにあたり、強力な連携の仕方やるしにゃん王国独自の戦術の研究も調べられている。

いずれにしてもこれらの研究は、一つのテーマ、光明を元に進められている。
それは、新しい技術としてただひたすら目新しいものを目指さなくても、人はより強く生きることができるのではないかというものである。
ただひたすらに研磨した心身と極めた技が、かつてこの地に舞い降りた災いを追い詰めていたことを、それとなしに彼らは気づいているのかもしれない。
がうがうちゅー

L:トラリス = {
 t:名称 = 蘇る咆哮“トラリス”(NPC)
 t:要点 = 人よりも大きい,虎皮のネコリス,トラリスの友
 t:周辺環境 = るしにゃん王国
 t:評価 = 融合先に依存する
 t:特殊 = {
  *トラリスのみなしNPC = ,,,{ネコリス?,よけタイガー?(の中身)}。
  *トラリスはトラリスに認められた者のみが使役できる。
  *トラリスは背に1名までの人員を乗せて輸送できる。このとき騎跨兵器として扱う
  *トラリスは融合出来、融合元を自在に扱うことが出来る。この時+6の修正を得る。この時必要人数などは5人分までまかなえる。複数のトラリスを一機に融合することは出来ない。
 }
 t:→次のアイドレス = トラリスを呼ぶ(イベント),森の奥の発掘兵器(イベント),戦闘術師(職業),音速弓(アイテム)
○おまけ編 また別のおとぎばなし
むかしむかしあるところに がうがうちゅー!
となくトラリスがいました。
そのトラリスはたいそうおおきゅうて
みんなからまいにちもふもふもふもふされておったそうな。
そして、ひとたびかいぶつがおそいかかってきたときには、
みんなといっしょにたたかうゆうきももちあわせていました。

あるひ、そらのむこうのたびからかえってきた
くろふくのわかものがトラリスにあいにいきました。

わかものは、トラリスにはなしかけます。
トラリス、きみのみみはおおきいねぇ。
しっぽもながくてすてきだよ。けなみなんかまくらにしたいくらいだ。

トラリスは、くびをかしげてみみをかきました。

わかものはくじけず、こえをかけます。
トラリスはかっこいいなぁ。そのつよさをみならいたいよ。
ねぇ、よかったら、ぼくといっしょにいいところにいかないかい?
そこなら、たたかわなくてもきらくにすごしていけるよ。

トラリスはなにもこたえず、おおあくび。
その口をのぞきこんだわかものは、こういいました。

ねえトラリス、きみのははどうしてそんなにするどいんだい?
かっこいいねぇ。うらやましいよ。

ずっとだまっていたトラリスは、いちばんさいごのといにこたえました。

それはね。
わるいことをたくらんでるきみをおしおきするためにあるんだよ。

がぶー。

#このおはなしはいわゆる子供をしつけるための造話であり、フィクションです。
#実在のトラリスは突然噛んだりしませんが、平和のために敵と勇敢に戦います。
#みなさんは悪い人にあったら、ISSに連絡したりして、無理に戦わないようにしましょう。